GEISSELE ICON:世界に1本だけのAR-15?
特別な日にちなんで作られるガイズリーアイコンライフルとは?
GEISSELE(ガイズリー)と言えば、近年ではアメリカ軍特殊部隊用アッパーグループ「URG-I」にSMR MK16ハンドガードが使われたり、FBI SWAT(HRTとも噂されている)のM4の写真が広まった事によるSMR MK4 FEDERALハンドガードの流行など、銃器メーカーとしてはサバゲー業界でも特に注目を集めている。
ハンドガードだけでなくボルトキャッチやトリガーガード、光学マウントなども人気が高く、日本でも多くのM4/AR-15ファン、サバゲープレイヤーを魅了している銃器メーカーと言えるだろう。
そんなGEISSELEが最近興味深い取り組みをはじめて話題となっている。
「GEISSELE ICON」と呼ばれるこのプロジェクトは、毎月1回アメリカの歴史的な出来事にちなんだデザインのGEISSELE ICONライフルとパッチを製作し、ICONライフルのプレゼントやパッチの販売を行うというもの。
今年2020年の8月からスタートし、既に3つのICONライフルとパッチが製作されている。
GEISSELE ICONライフルは特別パーツや専用の刻印が施され、世界に1本しかないライフルとしてこのプロジェクトの景品となる。全く同じモデルは販売もされず、抽選に応募した人の中から1名だけにプレゼントされる。
パッチについては販売が行われるが、収益金はそのモデルのテーマにちなんだ団体に寄付されるという。
そのデザインはどれも目を引くカッコ良いモデルばかりで、GEISSELEファンにとっては毎月の発表が楽しみになるだろう。今まで製作されたICONライフルやパッチがどんなものか早速見てみよう。
The Last Man Standing
GEISSELE ICON最初のモデルとなったのはその名も「The Last Man Standing」。木製のストックやグリップが印象的なAR-15で、1836年のアラモの戦いにちなんだモデルだ。
Geissele Automatics, LLC 公式Facebook
アラモの戦いとは、当時メキシコ領であったテキサスが分離独立を目指したテキサス独立戦争で行われた戦闘。辛くもメキシコ側が勝利するも、この敗北の無念を胸に奮起したテクシャン反乱軍は後にメキシコ共和国軍を打ち破り、独立を勝ち取ることとなった。
The Last Man Standingモデルには「1836」とテキサス州及びアラモ砦の場所が刻まれた特別な刻印が施されているほか、セレクターのポジションもテキサス独立戦争にまつわるキーワードが並ぶ。シリアルナンバーはアラモの戦いが行われた1836年2月23日~3月6日を示している。
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このアラモの戦いを指した「アラモを忘れるな」というヒューストン将軍の言葉に基づくREMEMBERのテキストとアラモ砦がパッチにデザインされている。パッチの収益はアラモ砦(アラモ教会)の保存や公開を行う財団「The Alamo」に寄付される。
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Freedom’s Remembrance
2つ目のGEISSELE ICONは9.11同時多発テロを題材としたモデルだ。
2000年代以降の対テロ戦争の代表格ともいえる「不朽の自由作戦」のきっかけとなった事件を忘れないためのメモリアルモデルとも言えるだろう。ライフルの名称「Freedom’s Remembrance」の通り、アメリカを表す言葉の1つ「自由」を象徴するAR-15だ。
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レシーバーには世界貿易センターが描かれ、同ビルをイメージさせるグレーカラーで統一されている。SMR MK16ハンドガードやSuper Precisionスコープが装着された現代的なセットアップとなっている。シリアルナンバーには同時多発テロ事件でハイジャックされた4機の旅客機の便名が刻まれている。
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パッチはレシーバーのデザインと同様で、パッチの収益は9.11の被害者家族や亡くなった軍人の家族、テロ・戦争で被害を受けたコミュニティを支援する団体「Tuesday’s Children」に寄付される。
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The Overmountain Rifle
3つ目のGEISSELE ICONは1780年にノースカロライナ州で行われたキングスマウンテンの戦いを記念したモデルだ。
キングスマウンテンの戦いはアメリカ独立戦争の中でも重要な意味を持っており、アメリカ勝利への転換点となった戦闘だ。
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The Overmountain RifleはGEISSELEライフルの特徴的なカラーの1つである40MMグリーンに染められ、シリアルナンバーはキングスマウンテンの戦いが行われた日付を示している。セレクターポジションも前の2本のICONライフル同様に題材にちなんだ言葉が刻まれている。
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また当時の戦闘で使われていたマスケット銃にちなんでバヨネットマウントがあり、M9バヨネット(銃剣)が取り付け可能となっている。
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パッチは大陸軍の兵士がGEISSELEのライフルを構えるユニークなもので、収益はアメリカ軍の傷病兵及びその家族を支援する基金「Semper Fi&America’s Fund」に寄付される。
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GEISSELEによるGEISSELE ICONライフルは単なる企業プロモーションとしての枠を越え、慈善団体や歴史的建造物の保護活動などを支援する画期的なプロジェクトとなっている。
慈善事業でありながらライフルマニアの興味を惹く新しい取り組みに、今後も注目していきたい。